【図解】UXデザインで使うKJ法の手順から注意点まで説明する

KJ法とはUXデザインにおいて、ユーザー得たインタビューのデータをもとに、言葉の裏に潜む暗黙知の部分を探して発見していくための分析手法です。

インタビューで得た一見関係性の無さそうなものから共通項を見出し、問題解決に向けて収束させていく時によく使われます。

これは地理学者・文化人類学者として有名な川喜田二郎博士が生み出した情報分析・発想の手法です。彼の頭文字を取ってKJ法と呼ばれています。

最近読んだ「web製作者のためのUXデザインをはじめる本」にUXデザインで使うKJ方の手順から、注意点が非常にわかりやすくまとめられていたので、その紹介をしたいと思います!

KJ法の手順

1. アイディアをポストイットに書き出す

まずはインタビューで得たデータを付箋1枚に収まる文量で書き出していきます。

はじめは付箋一枚に収まる文量が掴みづらいかと思いますが、その付箋を見れば、シーンが浮かぶように要約しすぎないことが重要になります。

この時、あくまで観察的・客観的な事実のみを書くようにしてください。インタビューをもとに推測される、ユーザーの感情や心理の代弁をこの段階で行ってしまうことは結果にズレが出てしまうので危険です。

「このデータは本当に必要か?」といったこともこの時点ではまだ考える必要がありません。

2. 小グループを作って、見出しを張り出す

次に、データを分析しながら、小さなグループにまとめていきましょう。

データを見ながらどのような価値や不満が共通しているか考えます。

グループが出来上がったらそのグループの見出しを別の色の付箋で張り出します。グループに含まれる定性データに共通した特徴をしっかり表現した見出しにすることがポイントです。

3. 大きなグループに分けてみる

ここからは見だしにのみ注目します。

前の作業と同じように分類せずに、グループを作ってみてください。前の段階でうまく見出しが書けていないとこの作業もうまくいきません。適切な見出しになるまで、積極的に書き換えていきましょう。

そしてそれぞれの間に関連性が見つかったら、それを図解してみましょう。

4. 図解したものを文章に起こし、説明できるようにする

KJ法は図解で終わらせるのではなく、文章に起こしてみてこそ、その価値が発揮されます。

試しに、分析を行った図をプレゼン資料に貼り付けて誰かに説明してみてください。分析に参加していない人からしたら、上手く繋がらない点がいくつもあり、説明者の補完無しには説明しきれないことに気がつくはずです。

このような欠陥をなるべく多く発見して、発展させていくことがこの「文章に起こす」という作業になります。

上記の例を試しに文章化してみるとこうなります。

ユーザーは、普段から何気なくパソコンを開いてインターネットでECサイトを見ているが、特に何かを解体とか、特定の商品を探しているということではない。ただし、定期的に購入する消耗品があるので、その時はついでのように他の商品についても見てしまうことがある。

そして、そのようなときに(やはりついでのように)衝動買いしてしまうことがしばしばあるが、それについてはあまり後悔しておらず、むしろ楽しんでいるところがある。

ここでは、黒字を実際の分析結果=説明的なもの、赤字は分析者による推察=叙情的なものとして区別しました。

この文章はもともとの生データとは違い、一見関連性のなさそうなデータが、ユーザーの行動心理と共に統合されていることが重要になります。

個々の特殊なケースではなく、どのようなユーザーにとっても起こりうる普遍的な情報です。

このように文章を書きながら欠陥を補完し、分析を発展させていきましょう。

ここで得た気づきが、分析者の主観ではなく、ユーザーの内面から出てきたということが伝わり、説得力が増します。

失敗しないためのポイント!

ここまで読んでみて、KJ法のプロセスは想像できたと思うので、失敗しないためのポイントを紹介します!

すぐ結論を出そうとせずに、手を動かしながら考える

KJ法での殆どの作業は付箋への書き出しと、並べ替えによって行われます。

つまり何度でもやり直しが効くということです。分類をしてみて上手くいかないと感じたら、すぐに新しい分類を試みてみましょう。

もし不安ならば、一度まとめた図の写真を撮ってしまえば問題ありません。

いつまでも終わらないのなら時間で区切れ!

実際にやってみるとわかりますが、全てのデータを完璧に分析し切ることは実際には不可能です。

始めの頃は何度やっても「これで本当に大丈夫か?」といった不安があったり、あとから見返すと新しい気付きがでて分析をやり直したくなることもあると思います。

しかし、作業をしていく上ではある程度区切りがついたら次の工程に進んでしまう思い切りも必要です。何か足りない要素があればその時また分析結果を見直してみましょう。

データ分析に用意するべき3つのもの

最後に、データ分析作業で使える道具を紹介していきます。ちょっと道具を工夫するだけで作業がはかどるので、是非参考にしみてください。

3M社製の強粘着タイプの付箋

よく使われるのが75mm × 75mmタイプの正方形タイプです。

作業中は何度も付箋を剥がして移動させることになるので、粘着力が高いものであればこの作業をストレスなく行えます。

また色ごとに付箋にルールをもたせるとなお良いでしょう。

四六判(1091mm × 788mm)の模造紙

模造紙を使わず、そのまま壁に貼ってしまうことも可能ですが、何日間にも渡って、作業場の壁に付箋を張り続けると、どうしても邪魔になってしまいます。

模造紙に貼り付けることで、作業場所も気楽に変えることができるのでとてもオススメです。

また、片付ける際には丸めてしまうと付箋が剥がれ落ちてしまうので、折るようにしましょう。付箋を貼る際は折り目を避けておくと付箋が剥がれ落ちず、作業のストレスを軽減します。

水性ペン

油性ペンだと臭いで気分が悪くなる人がいるので、使うのは水性ペンを使うと良いでしょう。

これは書店やスーパーで見かけるPOPが書けるくらいの太さのペンがオススメです。付箋にも可能な限り大きく字を書くようにしましょう。

多くの付箋に書かれたデータが誰からも等しい距離感で閲覧・精査できることが重要です。

KJ法は発想して、課題を作る手法

いかがでしょうか。ここまで読み進めてみると、KJ法がただ情報の整理を行っているわけではないということがわかると思います。

ユーザーの心理や行動を想像しながら、ユーザー自身が言葉にすることができなかった価値や不満を見つけてあげる作業を行っています。

つまり、名詞に注目した分類法ではなく、動詞や形容詞に注目した課題創出法なのです。

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